SHASで関係性エネルギー療法ディプロマ・コースエネルギー心理学を教えるディーン・ラムスデンは、国際的に著名なヒーラーで、関係性エネルギー療法の創設者。

 アメリカのヒーリング・スクール Barbara Brennan School of Healing(BBSH、フロリダ州認定の大学)に教師および管理職として長く務め、在職当時から、人間関係とチャクラ・コード(チャクラとチャクラをつなぐエネルギーのつながり)に深い興味を持ち、多数の臨床データに基づき研究を進め、最新の発達心理学、関係性心理学、対象関係論の理解をエネルギー・ヒーリングの技術を組み合わせ、関係性エネルギー療法を生み出した。


チャクラ・コードとは何か 人と人を結ぶエネルギーの絆

ディーン・ラムスデン

 関係性エネルギー療法では、10個のチャクラによって人間の成長と進化の段階を地図に表す。そしてこの地図に基づき、人が胎児としての幼い自己から大人としての自己へと成長するにしたがい、それぞれのチャクラがどのように順を追って発達していくかを理解する。

 この成長を可能にする主要な心理エネルギー構造はチャクラのコードである。へその緒は、誕生以前に我々を母親につないでいる。チャクラ・コードは、この母親へのつながりを、へその緒という肉体レベルでのコード(絆)が切られた後も長く維持させる。

 コードはまた母親以外の人々との間にも結ばれる。特定の人々が我々にとって重要な存在になる時、その人々との間に、目に見えないつながりであるチャクラ・コードが結ばれる。

 ヒーラーの目には、これらのコードは、エネルギーを送り出したり受け取ったりする透明な繊維のように見える。横から見ると、ちょうどクラゲの触手のようだ。この流れは両方向性であることもあれば(お互いに支え合うような健康な人間関係の場合)、片側がエネルギーを奪われるだけの一方的なものであることもある。

 ポップスのラブソングなどは、そうと知らずにこのつながりについて語っている。このつながりは、それが切れた時にもっともはっきりと感じられるのだ。60年代にダイアナ・ロスはこう歌った「あなたはわたしを宙づりにしたまま」。これは一方的で不健康になってしまった恋愛関係を示している。

 コードには加齢現象もある。年を経たコードはしばしば、未解決の感情やつらい記憶の蓄積で汚れている。それは手入れされなかったり使われない宝石がさびで覆われるのと同じだ。さびたチャクラ・コードは、修復または完了が必要なのにずっと放置されている古い人間関係に我々を縛り付け、生命力を制限する。

 このようなコードをきれいにすることで、そして自己成長に取り組むことで、我々は過去を手放し、現在へと足を踏み入れ、自分自身のためにより望ましい未来を創造することができるようになる。

コードを切る、もつれたコードをほぐす

 ヒーラーによっては、コードを切ることを提唱する人もいる。確かにある種のコードは排除してかまわない(下記に示すジャンク・コードなど)。

 しかし他者との間に結ばれたコードの多くは、我々のチャクラに深くつながり、体の中にまで入り込んでいる。両親とのコードや離婚した配偶者とのコードを切ることは、我々を深い「見捨てられ感」へと投げ込み、現在の感情の痛みをかえって悪化させるかもしれない。

 私は、感情の痛みから逃避するためにやたらにコードを切るのではなく、思慮をもってコードの剪定や掃除をし、心理療法などの自己成長の取り組みを行ってコードを感情的に浄化することを勧める。

 こうすることでコードはパワーダウンし、チャージを失い、我々に対する影響力をなくすが、我々はなおその関係から自分の人生にもたらされた滋養やレッスンを手元に残すことができる。

 ケン・ウィルバーの言葉を借りれば、我々は関係を「超越し、自己に含め」、そして過去は我々の精神的進化の一部となるのだ。我々は人間関係から(それがすでに終わってしまったものであっても)、強さ、慈愛、知恵を引き出すことを学べる。

 この取り組みは、すでに亡くなっている相手との間にも可能だ。コードはしばしば、相手が向こう側の世界に渡った後も、長く我々の体につながったまま残るからだ。 

 もつれたコードはよく見られる。関係性エネルギー療法のプラクティショナーの最初の仕事は、チャクラ・コードのもつれをほぐし、エネルギーを与えることだ。どのチャクラで作業をするかは、クライアントの持ち込んできたテーマにより示される。

 海に浸かった後の濡れた髪の毛を指で梳くのを想像してみよう。もつれたコードをほぐすのも、ちょうどこれに似た作業だ。

もっとも普遍的な5種類のチャクラ・コード

1 ジャンク・コード

 これは「ジャンク(ごみ)メール」、つまり「迷惑メール」と同じだ。ジャンク・コードは、誰かがこちらのことを探ったり、何らかの形で支配しようとしてうまくいかなかった時、低位のチャクラに一時的にひっかけられる。

 私がこれをジャンク(ごみ)コードと呼ぶのは、相手がこちらを探るのをやめた後も、このコードはチャクラの表面にひっかけられたまま長く残るからだ。原因不明の疲労感があったり、個人のバウンダリを確立するのに苦労しているクライアントのチャクラには、しばしば過剰なジャンク・コードがひっかかっているのが見られる。

 古典的な例は、セールスマンや電話セールスが、こちらが買いたくないものを買わせるためにひっかけてくるものだ。その場から立ち去った後も、よく説明できないが、なんだか相手に影響されたような、あるいは侵犯されたような感じが残る。

 ジャンク・コードをはずすのは(訓練された関係性ヒーラーには)容易だ。それはコードの末端の小さな「釣り針(フック)」でチャクラの表面に軽くひっかかっている。ヒーラーは自分のエネルギーの手でこのフックをはずし、コードの送り手に送り返すことができる。

2 トランジショナル・コード(一時的コード)

 これは、他の人間とのつながりを探る時に、素早くつながれたりはずされたりする「触手」コードだ。これは自分を相手に対して方向付ける働きを持ち、相手から情報を受け取ったり、相手に送ったり、ミーム的な思念体を送るのに相手に集中したりするに使われる。

 触手コードが送られてくるのは、相手がこちらに興味をもっているが、個人的または永続的な関係を結ぶことに興味がない場合だ。

 我々は皆、道を尋ねたり、劇場でパフォーマンスを見たり、講演を聴く時、これを経験している。それは受動的だが、方向性のある形で他者につながる方法であり、こちらや相手の個人的バウンダリを侵犯しないものだ。

 トランジショナル・コードは長く残らないので、はずす必要はない。

 しかし長時間にわたり、あるいは人々から非常な好奇心が向けられる時、我々のチャクラは過剰にチャージされる。これが起きると人前であがったり、話すのを恐く感じた、恥ずかしく感じたりする。

 自己の欠点も含めて他者から「見られる」ことに耐えることを学ぶのは、個人が「力ある人」になるために必須である。これを身につけることで、大切なものを守るために立ち上がったり、意図を言葉にして述べたり、変化を求めることが可能になるからだ。
 

3 アタッチメント・コード(つながりコード)

 相手からの個人的な接触を受け入れたり、こちらから個人的な接触を行う場合、アタッチメント・コードが送られる。これはチャクラの内部構造深くに届き、相手との永続的ないし半永続的なつながりを形成する。

 この典型的な例は、両親、兄弟姉妹、子供、その他の家族の一員などと結ぶ絆だ。これらのコードはまた、長期的な配偶者やパートナーや、感情的または性的に絆を形成した相手にもつながれる。これらのコードは健康なエネルギーと不健康なエネルギーの両方を相手に送り、また相手から受け取り、意識の多くのレベルで我々に影響を与える。

 この例は転移という心理学的概念にも見られる。

 例えば、ある人が自分の仕事に依存していたとしよう。この人は、過去に自分が権威(自分より力ある存在)との間に結んだ依存関係と似た形で、自分の上司にコードをつなぐ。

 別の例は、ある人が、過去に自分の父親がどんなふうに自分を扱ったかを思い出させるような振る舞いをする男性に会ったとしよう。その人のこの男性に対する態度は、自分の父親に対する未解決の感情で色どられる。成長期に父親と口論したのと同じような形で、相手と口論してしまうかもしれない。これは、この人が相手の男性に対して「転移」していることを示す。アタッチメント・コードが過去を持ち込むことで、現在の経験を歪めているのだ。

 正常に機能していないアタッチメント・コードを癒すには、我々は自己成長のプロセスに取り組まなければならない。習慣的な思い込みや人生のパターンを内省、分析し、不健康な行動に対する新しい反応を模索するのだ。

 アタッチメント・コードはチャクラを通り、スシュムナー管深くに入ることもあり、臓器のまわりに巻きつくことさえあるので、それを取り除くことが必要な場合もある。

 これにかわるアプローチは、新しい経験をコードに「グラフト(移植)」し、コードを実質的に「再プログラミング」し、その経験を本人にとって、損失ではなく、役立つものとなるように適合させることだ。チャクラコードのグラフトは有毒または不健康なアタッチメント・コードの影響を大幅に減らし、その人間関係を書き換えることも可能になる。

4 ヘリテージ・コード(遺産コード)

 我々の肉体が祖先からの遺伝子を受け継いでいるように、我々のチャクラにも、過去の家族の成員から受け継がれた、未解決の、あるいは習慣的な人間関係コードがつながれている。

 しばしば我々は、何世代も前にさかのぼる家族の人間関係パターンを、自分自身が繰り返しているのを見る。親である人は、自分が、自分の母親が自分に話しかけたのとそっくりに自分の子供に話しかけているのを聞くかもしれない。

 家族の人間関係パターンはヘリテージ・コードに含まれ、人が人生で行う選択に無意識のレベルで影響する。

 これらのパターンに意識的に気付くことで、そしてヘリテージ・コードを再パターン化することで、過去を癒し、新しい形で選択を行い始めることができるようになる。

 配偶者との関係が機能不全であったり、家族に共通する同じパターンを繰り返す傾向が自分にある時、また家族の状況によって縛られ支配されるパターンがある時などに、ヘリテージ・コードのヒーリングは有用である。

 ヘリテージ・コードのヒーリングは、テクニックとしてはアタッチメント・コードのヒーリングと似ているが、重要な違いがある。それは、関係するパターンが、おそらく、その人の家族と文化のマトリクス(鋳型)に深く結びついているということだ。このため、このコードの修復や再プログラミングはずっと難しい。

 しかし、ヘリテージ・コードにゆっくりと継続的に変化を起こし、同時に現在のアタッチメント・コードに取り組むことで、家族に結びついた過去のしがらみをゆるめ、個人が慢性的な家族のパターンを超えるのを可能にすることができる。

5 セルフ・コード(自己コード)

 人は他の人間にコードをつないで、関係を模索したり、相手の現実を経験したりする。人はまた自分自身にもコードをつないで、自己の「ウィットネス(観察者)」としての機能を働かせる。これは健康な大人として必須の機能である。

 しかし多くの人は、健康なセルフ・コードを育てることを支えてもらってきていない。これは、子育てがあまり健全でない手本に基づいてなされた場合や、アルコール依存症の家庭のように機能不全の家庭で育てられたことなどによる。

 共依存的行動は、こう言っているのと同じだ。「私は私の現実を、自分が誰であるかの感覚(セルフ・コード)を通してではなく、あなたから(人間関係コードを通して)与えてもらう」。事実、このような人は、セルフ・コードの発達が不適切であることで、「自分」よりも「相手」を重視し、一方的な関係をもとうとする。

 セルフ・コードとの取り組みは、関係性エネルギー療法の重要な要素である。それは自己とのコンタクト能力の回路を強めることで、心理療法的取り組みによる成長を非常に強く支える。

 これらのコードは、関係性コードの中から出て、自分自身のチャクラの先端部(通常、チャクラの端)に埋め込まれているのが観察される。

まとめ

 関係性エネルギー療法で行われるコード・ヒーリングは、クライアントの成長と癒しを助けることができる。これはクライアントとヒーラーが、特定のコードやそれに関係する臓器に保持されたエネルギーの分裂、葛藤、あるいはその他のネガティヴな影響を手放すことで達成される。

 関係性エネルギー療法では、人生を阻害したり否定する問題が解決されると、チャクラの自然な成長が再開される(修復的ヒーリング)。これにより、クライアントの人間関係におけるニーズが健康な状態にリセットされる。

 多くの場合、この結果、クライアントの人間関係が変化し始める。ある関係は終りを迎えるかもしれない。この新しいパターンは、新しいオプションないし新しいタイプの人間関係を結ぶことを可能にするだろう。

 変化と変容とは、個人がより自分自身に力を与え、選択に基づいて生きられるようにと進化していくことだ。「リアクション(反動的反応)」を「リスポンス(応答、感応的反応)」に交換し、「衝動や中毒的パターン」を「選択」に交換する。

 それによって我々は、自己の人生のゴール、そして魂の憧憬に向かって、よりいっそう成長していくことができる。過去の痛みを手放し、創造的でエキサイティングな現在を全身で受けとめることができるようになる。そして自己の進化が展開していく過程に、意識的に参加するのを学ぶことができるのだ。


関係性エネルギー療法はどこで受けられるか

 チャクラ・コードのヒーリングを含む関係性エネルギー療法はディプロマ・コースを修了したSHASの認定ヒーラーから受けられる。


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