シャーマニズムとセレモニー

シャーマニズムとセレモニー集中研修

 シャーマニズムとセレモニー・インテンシヴは、全3回または4回の集中研修です(各5泊6日)。

 SHASの専門課程の学生、卒業生の他、伝統的なメディスンの教えを土台に、自然と人間、社会の関係について深みのある形で学び、社会への奉仕に役立てたいと考える人のためインテンシヴです。

 ラコタ族の血を引くメディスンウーマンの指導を受け、現在もシャイアン族の血を引くメディスンマンの薫陶を受けながら、長年、メディスンの道の実践を続けてきた教師が、現代に生きる人たちがシャーマンたちの見る世界に目を開き、自分自身の経験を通してそれを体感する手引きをします。

 2023年秋に開始予定のシリーズでは、動物界、自分自身のパワーとメディスンアニマルとの関係性を中心にとり組んでいきます。

飛騨の初夏 緑の森

前提条件

・SHASでアルケミーやアートセラピー、フラワーメディスン、ヒーリング、心理などの講座を継続的にとり、自分自身とのとり組みを進めてきていること。

・下記に指定のテキストを研修までに講読すること。

・その他、研修に先立ち指定される準備を行うこと。

・全回(3回または4回)への参加のコミットメントが必要です。

ドリームキャッチャーを編む

 ここでの「メディスン」は、近代西洋の言う「医学」ではなく、先住部族の伝統で言う「肉体と精神、知性と感情を調和させバランスに導く、すべてのよきもの」という意味です。メディスンとして動物や植物のスピリット(精=存在の本質)が助けをもたらすという考え方は、アルケミーの伝統に言う「エッセンス(エセンティア、本質)」という考えと通じるものでもあります。

 あらゆる花、植物、動物が私たちにとってのメディスンになり得ます。

 しかし古代から受け継がれてきた教えによれば、それは人間の側で何の努力もせず与えられるものではなく、それぞれの植物や動物のスピリットと対峙し、関係を結び、自らの勇気と智恵、努力と誠意によって、その恵みを勝ちとらなければならないものとされます。

 このことはとくに、人が自分自身の深い癒しを求めて旅をする時、またヒーラーやシャーマンが植物や動物の力(パワー)や助けを借りて他の人の癒しに関わる場合に必要であると、シャーマニズムや先住部族の伝統は教えてきました。

 現代の日本でも、多くの若者向けの物語で、この「癒し=本来の自分自身になるための旅路」をモチーフにストーリーが語られます。旅をしながら「力(パワー)」を集めていくというストーリーが若者を引きつけて止まないのは、それが魂の深いところに存在する原型(アーキタイプ)の物語でもあるからです。

 そしてこの旅路は、お金で近道を買うことはできないし、誰かに代わって歩いてもらうこともできません。自分自身の足で道を歩み、その過程で遭遇するチャレンジと対面し、知恵、勇気、あるいは慈愛をもって克服し、自己の存在の一部としていかなければならないのです。

ドリームキャッチャーを編む
自然の中で集めた材料を使ってドリームキャッチャーを編む

 そして対面しなければならないチャレンジには、自分自身の「影(隠された自己)」も含まれます。

 癒しの道についての伝統的なメディスンの教えとアルケミーの教えを枠組みに、穏やかでなお力強い大地を足場に、四季を通してこのテーマと向かい合っていきます。

(すべての写真)研修中のプロジェクトの一つである手作業。祈りを込めたリースもドリームキャッチャーも、糸、紐、接着剤以外の材料は、すべて各自が自然の中から自分の手で集めたもの。 鳥の羽も、各自がさまざまな鳥のスピリットたちからいただいた贈り物です

参考
☆ フラワーメディスン集中研修 参加者の感想(1)
☆ フラワーメディスン集中研修 参加者の感想(2)
☆ フラワーメディスン集中研修  参加者の感想(3)
☆    シャーマニズムとアルケミー集中研修  参加者の感想


購読テキスト

研修に先立って以下のテキストを通読してください。

必読

・ジェイムズ・ジョージ・フレーザー  『金枝篇(上)』 『金枝篇(下)
・ミリチア・エリアーデ 『シャーマニズム(上)』 『シャーマニズム(下)
・ロザリン・ブリエール 『光の輪
・ダグ・ボイド 『ローリング・サンダー
・ヘェメヨースツ・ストーム 『Seven Arrows 聖なる輪の教え
・自分にとって強く惹かれる文化圏の神話集を何冊か
・河合隼雄 『ユング心理学入門』 『無意識の世界』 『ファンタジーを読む』 『子供の本を読む』 『昔話の深層』 『昔話と日本人の心』 『神話と日本人の心』 『母性社会日本の病理』 『日本人の心のゆくえ』 『日本人とアイデンティティ』 『影の現象学
・ルパート・シェルドレイク 『生命のニューサイエンス — 形態形成場と行動の進化
・ミヒャエル・エンデ 『はてしない物語

推薦

・グラハム・ハンコック 『異次元の刻印 人類史の裂け目あるいは宗教の起源(上)』『異次元の刻印 人類史の裂け目あるいは宗教の起源(下)
・A・グッゲンビュール=クレイグ 『心理療法の光と影 — 援助専門家の力
・M.スコット・ペック 『愛と心理療法

追加の推薦書籍や課題は研修内で指定。

次回実施予定が決まり次第、スケジュールと申し込み手続きが告知されます。

大切な人や動物、自分自身のために祈りを込めて、ドリームキャッチャーを編む。2015年、冬至