フラワーメディスン

 

ヒガンバナのフラワーエッセンス
ヒガンバナのフラワーエッセンスを作っていると、トンボが手伝いに

School of Healing Arts and Sciencesでは、25年にわたり、フラワーエッセンス療法/フラワーレメディを、自然と人間の魂を仲介し、心とからだの癒しを可能にするアルケミー(精神的錬金術)の視点から教えてきました。

教室での講義を通して学ぶだけでなく、自然の中で実際の植物と向かい合い、観察や写生などを通して花と自然の言語を理解すること。合わせて、自分自身の内面と向かい合う力を育てることを重視し、長期的な学びの枠組みを提供しています。

フラワーレメディ/フラワーエッセンス療法は、花と植物の助けを借りて自然と向かい合う経験であり、自己の外的世界(自然)と内的世界(魂)が触れ合い作用し合うアルケミーのプロセスです。そしてだから、フラワーレメディ/フラワーエッセンス療法の実践には「外的世界である自然そのものと関わる力」と「自己の内的世界の中に降りていく力」を育てることが必要とされます。

このような学びと成長を支えるため、School of Healing Arts and Sciencesの講座や研修では、植物学や深層心理学、元型(アーキタイプ)心理学、象徴学などと合わせ、アルケミー(精神的錬金術)の歴史と思想、過去から現在までのさまざまな癒しの方法論、メディスン(先住部族の伝統につらなる知恵の教え)など、多様な領域から汲み上げて伝え、人間と自然の関係について統合的に学んでいきます。

これはSchool of Healing Arts and Sciencesのすべてのクラスに共通の背景です。

フラワーレメディ/フラワーエッセンス療法の集中研修では、さらに具体的なテーマに焦点を当てます。

フラワーエッセンス療法については、なにより人間と自然の魂の関わりそのものに土台を置くことで、バック(Bach、バッチ)レメディやFESのフラワーエッセンスなど、主要なエッセンスを包括し、なお特定のメーカーに縛られない全体視野的なアプローチ、普遍的で応用性のある知識、理解と方法論を学びます。

またエッセンスのエネルギー的な性質や作用についても具体的に学び、エッセンスを用いたハンズオン・ヒーリングなども実習します。

SHAS では上記のような集中研修に加え、より深く、植物との関係を伝統的なメディスンの教えに基づいて理解し、身につけるためのインテンシヴ(宿泊形式の集中研修)も行なっています。

フラワーメディスン集中研修
2019-2020年

ここでの「メディスン」は、近代西洋で言う「医学」ではなく、北米先住部族の伝統で言う「肉体と精神、知性と感情を調和とバランスに導く、すべてのよきもの」という意味です。

メディスンとして動物や植物のスピリット(精=存在の本質的)が助けをもたらすという考え方は、フラワーエッセンス療法における「エッセンス(エセンティア、本質)」という考えと通じるものでもあります。

あらゆる花、植物、動物が私たちにとってのメディスンになり得ます。しかし古代から受け継がれてきた伝統の教えによれば、それは人間の側で何もせず与えられるものではなく、それぞれの植物や動物のスピリットと対峙し、関係を結び、自らの勇気と智恵、努力と誠意によって、その恵みを勝ちとらなければならないものとされます。

このことはとくに、人が自分自身の深い癒しを求めて旅をする時、またヒーラーやシャーマンが植物や動物の力(パワー)や助けを借りて他の人の癒しに関わる場合に必要であると、シャーマニズムや先住部族の伝統において教えられてきました。

現代の日本でも多くの若者向けの小説、マンガやアニメで、この「癒しのための旅路」をモチーフに物語が語られます。旅をしながら「力(パワー)」を集めていくという物語が若者を引きつけて止まないのは、それが魂の深いところに存在する原型(アーキタイプ)的なストーリーでもあるからです。

他の人が作ってくれたエッセンスをお金で買うという、ある意味、現代の物質主義的な関わり方に満足せず、それを超えてフラワーレメディ/フラワーエッセンスと関わっていこうとする時、さまざまな問いが生じます。

「花のエッセンスを使って自分を癒すとは、人の癒しに携わるとは、どういうことなのだろう」。

フラワーエッセンスは本来、びんに詰められたものを店で買うことを意図されていませんでした。エドワード・バック(Bach、バッチ)は、フラワーレメディを忙しい医師たちに普及するための便宜上、レメディの生成をネルソン社に委託しましたが、それはあくまで代替の手段でした。

バック(Bach、バッチ)医師の考えに忠実に従うなら、フラワーエッセンス/レメディは、使う人自身が自然への感謝とともに自分の手で作り、使うものです。フラワーエッセンス療法の癒しの本質は、自分という人間と花/植物との関係性を通して、自分の中により大きなバランスが取り戻されることにあるからです。

自然の中で花を摘み、それをもとに自分自身で使う「レメディ」を作る作業自体が、癒しの重要な過程なのです。

このような視点から、もう一度、自然と人間、花と人間の関係と、そこから生まれる癒しのあり方について見直す必要性。

2011年の大震災で、日本に住むすべての人が影響を受けました。揺れる大地、すべてを呑み込む津波——世界でもまれにみる穏やかで豊かな日本の自然に慣れてきた人々にとり、それは大きなショックでした。

そして2018年、日本だけでなく地球全体が、引き続く大きな自然の変動に見舞われています。

そのような状況の中で、「自然と関係を結び直す」「母なる大地を信頼する」とは、何を意味するのか。

このインテンシヴでは、自然の助けを借り、魂の深くに降りていくことで植物のスピリットと向かい合い、自分自身のために植物の「メディスン」を受けとる準備をしていきます。

1年半にわたって実習を行い、自然を鏡として自分自身と向かい合い、自然の中での静修や日々の生活を通し、さまざまな経験を集めながら、魂のレベルで植物と関係を結び、恵みと助力を受けとるフラワーメディスンの方法論、自然・植物・スピリットとの取り組みを経験していきます。

物質レベルの植物観察は、花と植物との関係性を築いていくため、また自然から学ぶために欠かすことのできない土台です。その土台を足場に、魂とスピリットのレベルで植物と向かい合い、より全体的な関係性を自分のものにすることを始めていきます。

1回目の研修では講義やディスカッション、内省、自然観察を通した自己の土台作り、道具の選択から始まり、自分の「味方」「友人」となる植物と向かい合い、2回目以降、自分自身のためにフラワーエッセンスを生成し、植物の「恵み・力」を受けとるまでを経験します。

参考
☆ 参加者の感想(1)
☆ 参加者の感想(2)
☆ 参加者の感想(3)

以下も通読

☆ 「フラワーエッセンスヒーリングの方法論
☆ 「激しく移り変わる世界の中で、フラワーレメディの原点について考える

単位

School of Healing Arts and Sciencesの専門課程の学生には以下の単位が付与されます。

フラワーメディスン集中研修 1回目=フラワーエッセンス療法403
「フラワーエッセンス療法 専門分野への応用 I」
5泊6日集中研修/30クラス時間/2.5単位
前回2013年7月 次回2019年5月

フラワーメディスン集中研修 2回目=フラワーエッセンス療法404
「フラワーエッセンス療法 専門分野への応用 II」
5泊6日集中研修/30クラス時間/2.5単位
前回2014年4月 次回2019年9月

フラワーメディスン集中研修 3回目=フラワーエッセンス療法405
「フラワーエッセンス療法 専門分野への応用 III」
5泊6日集中研修/30クラス時間/2.5単位
前回2014年10月 次回2020年5月

購読テキスト

研修に先立って以下のテキストを通読してください。

必読

・小林正明 『身近な植物から花の進化を考える』 またはこれに類する、植物と花の進化について説明している本

・ヨハン・ウォルフガング・ゲーテ 『自然と象徴 自然科学論集』 『色彩論』 『形態と象徴 ゲーテと「緑の自然科学」』 から1冊以上

・ジュリアン・バーナード『Dr.バッチのヒーリング・ハーブス—フラワーレメディー完全ガイド』 『バッチ博士の花の治療薬

・FES『フラワーエッセンス・レパートリ

・河合隼雄 『ユング心理学入門』 『無意識の世界

・河合隼雄 『ファンタジーを読む』 『子供の本を読む』 『昔話の深層』 『昔話と日本人の心』 『神話と日本人の心』 『母性社会日本の病理』 『日本人の心のゆくえ』 『日本人とアイデンティティ』 『影の現象学』 などから2冊以上

・ルパート・シェルドレイク 『生命のニューサイエンス — 形態形成場と行動の進化』

・School of Healing Arts and Sciences Webクラス アルケミー講座

追加の推薦書籍

・パラケルスス 『奇跡の医書

・河合隼雄 『箱庭療法入門』 『心理療法入門』 『河合隼雄のカウンセリング入門 — 実技指導をとおして』(すべて)

・M.スコット・ペック 『愛と心理療法

・A・グッゲンビュール=クレイグ 『心理療法の光と影 — 援助専門家の力

・(以下のような図鑑を持参することを推薦) 『山渓名前図鑑 野草の名前 春』 『山渓名前図鑑 野草の名前 夏』 『山渓名前図鑑 野草の名前 秋・冬』 『野草のおぼえ方(上)春・夏』 『野草のおぼえ方(下)秋・冬』など

・カール・グスタフ・ユング 『錬金術と無意識の心理学

・バック(Bach、バッチ)花療法関係の翻訳書(メヒトヒルト・シェファー『バッチの花療法 その理論と実際』など)

次回日程

パート1 2019年 5/2-5/7(5泊)
パート2 2019年 9/14-9/19(5泊)
パート3 2020年 5/2-5/7(5泊)

(延べ15泊18日)

申し込みには全回参加のコミットメントが必要です。

フラワーエッセンスとレメディについて基本的な知識と経験があることが前提ですが、ヒーリングや心理療法、ボディワークなどの分野で仕事をしている人、自然を媒介としたヒーリングやアート、クラフト、伝統的なメディスンの道について、深みのある形で学びたいと考える人の参加も歓迎します。

申込み手続きの詳細はこちら フラワーメディスン(2019-2020年) 手続き

フラワーエッセンス療法科

この集中研修は、School of Healing Arts and Sciences フラワーエッセンス療法科の長期教育プログラムの一環ですが、同科に在籍でなくとも参加できます。

フラワーエッセンス療法科は、フラワーエッセンス・プラクティショナーとして仕事をしていくことを目指す人のための専門教育プログラムです。