
エネルギー・ヒーリングの分野は不思議なものだ。世界中にはヒーリングを学んだ何万人ものヒーラーがいるが、その中でヒーリングをフルタイムの仕事にすることに成功しているのは、ほんの一握りだ。
ほとんどのヒーラーは、「まだ勉強中」であるか、あるいはパートタイムでヒーリングをしているが、他にも仕事をしなければ、生活をするのに十分な収入にならない。
プロのエネルギー・ヒーラーとして立つことができるためには、何が必要なのだろうか。クライアントから専門家として認められ、喜んで謝礼を払ってもらえるヒーラーと、「この人よりは、あっちのほうがいい」と通り過ぎられてしまうヒーラーの違いは何だろう。
その答えは二つ。「実践」と「結果」だ。
1980年代、私は、中国からアメリカに移住してきた気功の師についてヒーリングを学んでいた。師は気功家の訓練について明確な考えをもっていた。
「第一に、自分を耕さなければならない。自分のエネルギーの体を育てるための練習をするのだ。これは多くの人において中国武術の鍛練を含み、師の隣に並んで指導を受けながら練習を行うことが含まれる。
第二に、気[エネルギー]が動くのを感じられるようになること。そして集中された心の力を使ってそれを動かすことを学ぶ。
第三に、自分の『エネルギーの門』を開く。これは、師父が弟子の能力を認め、目覚めさせるための参入儀礼を受けるのに、欠かすことができない。」
一度この伝統的な道に従えば、結果が出始める。
私にとってアメリカにおける一番のヒーリングの教師は、ロザリン・L・ブリエール師だが、師の方法論も、このアジア式の方法論と明らかに一致する。師の教え方のスタイルは一見ずっとカジュアルだが、道への深い献身が必要とされることにおいてはまったく同じだ。
学生たちは長期にわたる訓練で、ヒーリングの実践や肉体の運動を通して、自己のエネルギー体を育て、強めるよう教えられる。同時に数多くの集中研修で師とともに時間を過ごすことで、自分自身の能力を目覚めさせられていく。
しかし多くのエネルギー・ヒーリングの講師たちは、ヒーリングは自然にできるものだと強調し、自己規律や自己変容のとり組みの必要性についてあまり語らない。それはなぜだろう。
「私に従え、まねをしろ、そうすればヒーリングは起きる」と彼らは言う。このようなやり方が時にうまくいくこともあるのは事実だが、それは「有能なヒーラー」を生み出すことはない。
これは重要な点だ。誰にでも簡単にできるようなヒーリングからは、一貫性のある結果は生まれない。そしてプロのヒーラーになるためには、一貫性のある結果を出せることが必要なのだ。
多くの訓練やワークショップを受けてきたヒーラーが、アマチュアからプロになるために必要なのは、学んだことを「仕事を通して実践すること」だ。そして専門分野について継続的に学び続けること。
私の知るもっとも成功しているヒーラーたちは、つねに勉強を続けている。また自分のエネルギー体をさらに開発するために、新しい分野での修業と実践に自らを投げ込み、自分がすでに知っていることを広げるため、つねに新しい技術を学んでいる。
そして空いている時間は質の高い教師と過ごす。それは学び手である自分の価値を見いだし、指導してくれる師である。
そしてまた自分の仕事に戻り、日々クライアントと向かい合う。
私が師事したある教師は、学生から「一貫した結果が得られるようになるまでに、何人のクライアントにヒーリングすることが必要ですか」と問われた。しばしの沈黙の後、こう真実が告げられた「1000人ぐらいだ。人によっては、もっとたくさん必要かもしれない」。
科学者は重要な科学的発見をするまでに、何十年も研究室で過ごすことがある。芸術家は同じぐらい長い時間、自分の作品が無視され続けるのに耐えることで、ある日突然有名になることもある。
ヒーラーにも、同じような献身が必要だ。
学んだことを仕事を通して実践し続け、自分をより有能なヒーラーに育て、さらに学びを続ける。そしてさらに仕事の実践を続ける。このような精神的な姿勢によってこそ、ヒーラーは一貫性のある結果を生み出せるようになる。
それがクライアントをそのヒーラーのもとに呼び寄せるのであり、この分野での成功に到るのだ。
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